さいたま市で藤島建設さんと高気密高断熱住宅を作る!

家づくりの備忘録 2022.2竣工 HEAT20G2(Ⅵ地域UA=0.45)・C=0.45 連絡先は「このブログについて」を見て下さい。

第67回 暖かい床

歩兵です。

一条工務店が選ばれる理由の一つは全館床暖房の標準化だと思います。家の中の温度差や足元の寒さは住み心地を大きく左右するもので、床暖房は間違いなく快適な設備となります。コストが高いのが難点ですが、自社規格で標準化することでコストダウンを実現したのが一条工務店の強みになっています。

足元が寒いのがつらいから床暖房が欲しい!と考える人は多いはずで、そういう意味で一条工務店はたいへんキャッチーなのですが、一方で、なぜ足元が寒いと不快なのかを考えてみることも大切です。

そもそも「頭寒足熱」つまり足元を暖かく、頭のほうを涼しくすることが快適であることは経験上分かることと思います。冷えは万病のもとといわれます。足が冷えると血行が悪くなり、自律神経の不調など様々な問題を引き起こします。

しかし、冬場は断熱性の低い窓から入ってきた冷気が床にたまるコールドドラフトが起き、床面を冷たくしてしまうのです。そして、足裏は床面と直に接しますので、冷たい床の温度をダイレクトに感じることで、いっそう不快になってしまうわけです。

しかし、床材によっては冷たさをやわらげることができます。フローリングの床はヒヤっとしますが、畳はそこまで冷たく感じません。これはなぜかというと、熱伝導率が違うからです。フローリングは熱伝導率が畳より高いため、足裏の熱がたくさん奪われ、冷たく感じやすいのです。コンクリートやタイルの床はフローリングよりさらに熱伝導率が高いため、冬場にそれらの床に素足で立ったら冷たくていられないでしょう(ちなみに空気は熱をほとんど伝えない性質があるため、空気としか接していない足裏以外の部分からは熱はあまり逃げません。床の熱伝導率が体感上非常に重要になるわけです)。

つまり、熱伝導率が低い床材を選ぶことによって足裏が感じる冷たさをやわらげることができ、冬場の不快感を軽減することができるわけです。

よく、無垢材は暖かいといいます。比較的熱伝導率が低い(0.12W/mk)のが杉やパインなどの針葉樹で、これらの無垢床はフローリング(合板は0.16W/mk、ビニル系床材0.19W/mk)よりも暖かく感じます。畳はもっと優秀で0.08W/mkです。

冷たさをやわらげるための床材を考えると、ウールのカーペットが最良だと思います。ウールは断熱材としても用いられるほど熱伝導率の低い素材ですが、空気を多く抱き込むカーペットとして使うことで、さらに熱の伝わりを遅らせることができます。

そのため歩兵も長い時間を過ごすことが多い書斎の床材としてウールのカーペットをぜひ使いたいと考えていたのですが、結果的には採用しませんでした。本当に悩み、実は今でもウールのカーペットへの思いが捨てきれていないのが正直なところですが、キャビネットを置いた場合の沈み込みや汚れに対する手入れの心配があり、やめました。

その代わり選んだのはコルクタイルです。コルクの熱伝導率は0.069W/mkとウールには劣るものの畳よりさらに低く、フローリングと比べればずっと冷たさを感じにくい床材です。ウール同様に調質性能などもあり、快適に過ごせるのではと期待しています。

床暖房を使わなくても、建物の断熱性・気密性を高めてコールドドラフトを防ぎ、暖かい床材を使うことで冬場も快適に過ごせるはずです。ウールは敷き込まなくてもラグとして使うことも考えたいと思います。

続きはまた。あんにょん。