さいたま市で藤島建設さんと高気密高断熱住宅を作る!

家づくりの備忘録 2022.2竣工 HEAT20G2(Ⅵ地域UA=0.45)・C=0.45 連絡先は「このブログについて」を見て下さい。

第20回 ウッドファイバーの蓄熱性(続)

歩兵です。

第17回で書いたウッドファイバーの蓄熱性について、もう少し分かりやすい説明を試みたいと思います(文章書くのは難しいですね…)。

蓄熱性とは熱のエネルギーを蓄えておける性質のことです。断熱性は熱を伝えにくいというものです。この違いの説明も難しいと思います(技術者の方は感覚的にも数学的にも分かるのでしょうが、断熱材について考えたこともない素人の施主にとっては理解に時間がかかります)。

薄いアルミでできた鍋を火にかけると、鍋の内側に熱を伝えます。こうして鍋の内側にある水に、鍋の外側の熱が伝わり、水が温まるわけです。これが熱伝導です。アルミや銅は熱を伝えやすい素材ですので、こうした調理器具に使われるのです。

断熱とは何かというと、鍋の外側の火の熱を内側の水に伝えないようにすることで、夏場でいえば家の外側の熱が部屋側に入ってこないようにすること、冬場でいえば暖められた室内の空気の熱が外に逃げていかないようにすることです。壁の断熱性が高ければ、夏は壁の外側の暑さ(熱)が壁を伝わりにくくなり、冬は内側の熱が逃げていきにくくなります。

一方で蓄熱とは何かというと、断熱材の中に熱をため込んでおくことです。外側から断熱材の中に入っていった熱が、すぐに内側に抜けていかず、そこに留まっているイメージです。蓄熱性が高ければ高いほど熱を多くため込んでおけるため、内側に熱が伝わるスピードを遅らせることができます。

このように、断熱性も、蓄熱性も、いずれにせよ熱が伝わるのを遅らせるというものなのですが、その理屈が異なります。

熱を水に例えます。バケツの底に穴をあけて布を張り、水を入れれば、布を通って水は下に落ちます。このとき、きめが細かく水を通しにくい布であれば、勢いよく水が落ちることなく、ポタポタとゆっくり水がしみていくと思います。これが断熱性が高いということです。

バケツの中に水を吸い込むスポンジを入れれば、水を入れてもスポンジが吸い込んでくれるので、スポンジがいっぱいになるまでは水はあまり下に落ちません。これが蓄熱性が高いということです。日中に断熱材が熱をためこんでも、夜間には気温が下がり、熱は放出されます。熱は外皮側からため込まれていくため、その多くが外側に逃げていくことにより、室内への影響は小さく済みます。

先ほどの調理器具の例でいうと、歩兵宅ではル・クルーゼの鍋を愛用しているのですが、これは非常に蓄熱性の高い素材(鋳物ホーロー)でできています。熱を伝えるのに時間がかかりますが、一度温まるとなかなか冷めないという特性があります。

このように、冬場に室内の暖かさが外に逃げていくのを防ぐためには断熱性の高さが重要ですが、夏場に外からの熱を室内に伝えないようにするには蓄熱性の高さも効果を発揮します。

ウッドファイバーの断熱性能は一般的に用いられる高性能グラスウールと同等です。厚みが同じであれば、断熱性能はあまり変わりません。しかし蓄熱性が高いというのがポイントなのです。断熱性能が同じであれば、蓄熱性が高いほど、室内の温度変化をゆっくりと遅らせることができるわけです。

続きはまた。あんにょん。