さいたま市で藤島建設さんと高気密高断熱住宅を作る!

家づくりの備忘録 2022.2竣工 HEAT20G2(Ⅵ地域UA=0.45)・C=0.45 連絡先は「このブログについて」を見て下さい。

第136回 G3

歩兵です。

藤島建設さんもHEAT20 G3の家づくりに取り組んでいるそうです。

川口市やさいたま市で注文住宅なら藤島建設(工務店/ハウスメーカー) 株式会社藤島建設 | HEAT20 ④ (住まい造りの想い60)

川口市やさいたま市で注文住宅なら藤島建設(工務店/ハウスメーカー) 株式会社藤島建設 | 【さいたま市緑区中尾】新モデルハウス「満ちる家」3/2(土)グランドオープン

歩兵が契約したときから、HPも結構こまめに更新されてまして、UA値平均0.46以下(HEAT20 G2)とか、C値実測0.7±0.2とか、そんな具体的な数値も書かれるようになっています。

歩兵邸はUA値0.45、C値0.45なのですが、C値はともかく、UA値は不要な窓をできるだけ減らした結果になります(歩兵邸は全窓ペアガラスで、窓は断熱性が低いので窓が多くなるとUA値は下がります)。建売みたいな標準的な仕様の家をつくると、歩兵邸の仕様だとUA値0.46は難しいと思います。

話は戻りますがさいたま市(6地域)でG3ということになるとUA値0.26にあたります。一条工務店の標準仕様が公式UA値0.25とされていますが、ツーバイシックスで壁にウレタンフォーム190mm、天井は235mm入れてトリプルガラスです(めちゃくちゃ壁が厚いですね…)。ウッドファイバー90mmでは計算上実現できないはずで、断熱の仕様を抜本的に見直したということだと思います。具体的にどうやってG3を実現したのか、仕様の発表が気になるところです。

高気密高断熱にこだわる層は数値を出したいでしょうが(歩兵もそうでしたのでその気持ちはよくわかります)、体感としてはHEAT20 G2水準は十分に暖かく、また光熱費も安く抑えられていると思っています。もちろんG3にしたらそれにこしたことはないでしょうが、コストバランスとの兼ね合いではないかと思います。あとは、都市部の狭小敷地で壁が厚くなることのデメリットもありそうです(歩兵邸は敷地形状がギリギリだったため、本当にミリ単位で壁の厚さを確認しなければなりませんでした)。壁が厚ければ室内面積が狭くなりますからね。

続きはまた。あんにょん。

第135回 あったかい家

歩兵です。

今年の冬も藤島建設さんの作ってくれたあったかい家で快適に過ごしています。外は普通に寒いわけですが家の中では裸足で大丈夫。子どもが布団を蹴とばして寝ていても心配することはありません。なぜならば暖かいから!

とはいえ、エアコン空調を入れなければ普通に寒いです。高気密高断熱のおかげでエアコンだけで十分暖かく、室内の温度差がなく快適だということになります。基礎断熱のおかげだと思うのですが床も冷たくなりません。

ただ、冷たくはないがオンドルとか床暖房のように床が発熱するわけではありません。足元から暖かくなる床暖房の快適さはエアコン暖房にはない魅力がないわけでもありません。そこで、以前床下暖房についての記事を書いたことがあります。

第13回 FF式ガスファンヒーター床下暖房は実在するか - さいたま市で藤島建設さんと高気密高断熱住宅を作る!

歩兵は今でも基礎断熱住宅における床下暖房は快適になると考えておりまして、エアコンよりもFF式ガスファンヒーターが合理的なんではないかという風に思っています。床下には冷房はいらず、暖房のみでよいわけですし、エアコンだと室外機の置き場も必要です。その点FF式ガスファンヒーターであればコンパクトに設置もできパワフルです。検索してみると実例もあるようです。

床暖房をFFストーブでやっちゃう作戦が人気です - 株式会社あっとホーム-岩手県盛岡市

床下に温度計を入れてみたところ、基礎の内側に断熱材を入れていることや、基礎の蓄熱性、地熱の影響などいろいろな要因があるためか、床下の温度はきわめて変動が少なく一日中ほとんど変わりません。

第115回 1カ月間温度と湿度を測ってみました - さいたま市で藤島建設さんと高気密高断熱住宅を作る!

ですので、床下を暖めるのはそれほど難しくなく、床が暖かい状態を簡単にキープできるのではないかと思います。冬場に床が暖かいのは大変理想的な状態です。床にガラリを設置すれば部屋も暖かくなるでしょうしエアコンいらずかもしれません。

床下にFF式ガスファンヒーターを設置する場合、問題なのは基礎の形状です。設置した場所から1階の隅々にまで温風をいきわたらせ、まんべんなく暖めることができるかどうかです。ダクトとファンを使い、強制的に送風する仕組みを作ればよいと思うのですができるものでしょうか?藤島建設さんはゼンカンというオリジナル全館空調の仕組みを持っているので、やればできるんじゃないかという期待もあります。

歩兵宅も築後15年くらいで水回り設備等の大規模リフォームをしなければと思っているので、そのタイミングで床下FF式ガスファンヒーターを設置できないかな?と考えています。ぜひ開発部門のほうでご検討下さい。よろしくお願いします。あんにょん。

第134回 土地探し

歩兵です。

割と近所で新築しているのですが、南西角地のほぼ正方形という非常に好条件な敷地に、あろうことか南北縦長の形状で基礎を作っていまして大変もどかしいです。色々と考えはあるんでしょうけどパッシブな設計の重要性を訴えたいです。冬場になって痛感するのですが日射熱の恩恵は非常に大きいです。職場の車もひなたに駐車していると車内はかなり暑くなりますし、南側に面して日が入る部屋は終日暖房いらずです。高断熱高気密の家の機能を最大限に生かすには、南面に大きく窓を取り日射熱をできるだけ取り込むことが最善であると断言します(夏は軒を伸ばすなりシェードを使うなりすれば日射カットできますから)。東西北面は窓を限りなく減らせば逃げていく熱も最小限になります。日射熱は天然のストーブというのはまさにその通りです。陽当たりは本当に大事です。歩兵がもしマンションを買うなら南向きで上下左右に部屋がある中部屋一択です。

と、このように書きましたが歩兵宅は南側に3階建ての隣家がそびえており冬場の陽当たりは最悪です。形状も南北縦長ですから日射取得という点では絶望的です。その分土地の値段は安くなりましたが、冬場はエアコンの力に頼らざるを得ません。逆に言えば、エアコンで何とかしのげるのであれば、奥まった敷地は静かで人目も気にならず、プライバシーが守られている安心感はあります。陽当たりがよい土地は値段が高いだけでなく、窓がある側が接道面であることが多いでしょうから、結局シャッターやカーテンをしめっぱなしということにもなるかもしれません。都会の住宅密集地で完璧な条件の土地を探すのは高すぎてどうしようもないのです。

歩兵は今でも少し無理してでも陽当たりの良い土地を探したほうがよかったかなと思う部分もなくはないのですが、静かで人目が気にならないというメリットはかなり大きく、それにエアコン暖房で十分暖かく暮らせているのだからいいではないかという風にも思います。なかなか難しいところです。

土地探しの正解はなかなか分かりません。もっと駅に近かったら通勤は少し楽になるかもしれませんが、食品スーパーなどの施設が遠かったりしたらそれはそれでストレスだと思います。歩兵宅は食品スーパーまで徒歩1分、道を挟んで目の前がクリーニング店という大変利便性の高い場所で助かっています。子どもの保育園や小学校、遊べる公園も近く、土地価格も考えるとやはりベストな立地であったといえるかもしれません。強いていえばコンビニが近くにあれば便利な気もしますが、なければないでさほど困ることもありません。思いつく限り残念な点は子どものかかりつけの小児科が遠くなってしまったことくらいです(新しい家の近くの小児科にかかりつけを変えようと考えていたのですが、元の先生のほうが相性が圧倒的によく、結局引越し前と同じクリニックに通っています)。

すぐ近くの信用金庫にも口座を開きました。これまで某メガバンを使っていましたが、用事があって支店にいっても長時間待たされるし、そもそも行くのが不便です。ATMだって並んでいることが多くストレスです。近所の信用金庫ならそんなこともありません。

これから土地を探される方は、生活によく使う施設の利便性などをよく考えるとよいかと思います。続きはまた。あんにょん。

第133回 ウッドファイバーの未来

歩兵です。

まだ書きたいことがないわけではないのですが忙しいもので更新頻度が落ちてしまいました。ブログ見ていただきありがとうございます。

さて今回はウッドファイバーの話です。

当ブログでも何度か取り上げておりますし歩兵が藤島建設さんに自邸の建築を依頼した割と重要な要素でもあったのがウッドファイバー断熱材です。

ウッドファイバーには様々な長所があり、実際に住んでみてそれを実感してもおります。ただ、日本においてはあまり普及しておらず、ドイツからの輸入品のほか、北海道苫小牧にあるウッドファイバー社が国内唯一の生産工場として知られていました。藤島建設さんのウッドファイバーも自社の森で育てたカラマツを使って苫小牧で生産されていたと聞いています。

それで、たまたま目にした記事で知ったのですが、昨年10月をもってウッドファイバー社がウッドファイバーの生産を終了していました

記事を引用します。

日本での木質繊維断熱材は前身の株式会社木の繊維時代から同社が唯一のメーカーとして孤軍奮闘し、啓蒙と普及に取り組んできた。
現在、供給されている主な木質繊維断熱材は、イケダコーポレーション(大阪府)がドイツのシュタイコ社輸入代理店としてフレックス、デュオドライ、吹き込み式のゼルの3種類を、ジャーマンハウス(埼玉県)がドイツのグーテックス社輸入代理店としてECOボードの名称で屋根、壁、床用及び充填用(ソフテック)を取り扱っている。
これらのドイツ勢がウッドファイバー製造終了後の代替需要を獲得できるのかは微妙で、急激な円安進行も影響して輸入コスト高となっており、むしろ木質繊維断熱材全体の日本における市場性を後退させる公算が強い。これまでも木質繊維断熱材の主たるユーザーは環境面で差別化を図る工務店、建築家がほとんどで、草の根的に少しずつ需要を開拓していった経緯がある。

ということで、ヨーロッパでは主流のウッドファイバー断熱材ですが、日本では市場から消えてしまうのではないか……と心配です。しばらく在庫はあるようなのですが、ウッドファイバーの新規製造ができないとすれば、藤島建設さんは今後どうするのでしょうか。

エコで環境にやさしいというだけでなく、断熱性や吸音性といった性能も非常に優れており、施工性もよく、劣化の心配も少ない、ウッドファイバーの利点は少なくありません。今後何とかして製造再開、普及が進むといいなと思っています。

続きはまた。あんにょん。

 

第132回 高気密高断熱住宅と光熱費(9/4追記)

歩兵です。

なかなか更新できておりませんが、ご覧いただきありがとうございます。今回は高気密高断熱住宅に関心をお持ちの方が気になるであろう光熱費の話を書きます。

しばしば、高気密高断熱によって光熱費が大幅に削減されるため、建築費が多少コストアップしてもトータルコストは得である、という説を耳にします。

そこで、実際に歩兵邸はどうなったのか?光熱費の変化について紹介したいと思います。

【比較条件】

以前の住宅:築30年のへーベルハウス(戸建)定期借家で賃借していました。もともとはオーナーさんが注文住宅として建築したものだと思われます。ガスキッチン・給湯。総床面積115㎡くらいの一般的な2階建て4LDKです。空調は個別エアコン3台とガスファンヒーター。24時間換気設置なし。

現在の住宅:藤島建設さん。2階建てで間取りは2LDK+SS、総床面積は120㎡+小屋裏15㎡くらい。IHキッチン・ガス給湯と乾太くん設置。空調は個別エアコン5台(うち3台は前居より移設)。第一種熱交換換気。

夏冬それぞれ、引越し前(2021年7・8月と2022年1・2月)と引っ越し後(2023年1・2月と2023年7・8月)を比較します。また、ガスキッチン→IHへの変更などもあるのでガスと電気をそれぞれ比較します。料金プランは変わっていません。家族構成も同じですし生活スタイルもだいたい変わらないので、純粋に建物の違いによる光熱費の変化を見ることができると思います。電気は50A契約です。

 

【電気】

夏場

2021年7月 376kWh 10962円
2021年8月 558kWh 16552円

 ↓

2023年7月 487kWh 15053円
2023年8月 580kWh 17312円

冬場

2022年1月 913kWh 29849円
2022年2月 879kWh 29830円

 ↓
2023年1月 780kWh 29893円
2023年2月 712kWh 22246円

【ガス】

夏場

2021年7月 23㎥ 3845円
2021年8月 20㎥ 3451円

 ↓

2023年7月 24㎥ 4512円
2023年8月 14㎥ 2857円

冬場

2022年1月 73㎥ 10956円
2022年2月 51㎥ 8422円

2023年1月 52㎥ 11421円
2023年2月 46㎥ 9287円

 

ということでいかがでしょうか?料金単価が異なるので、使用量で比較がよいかと思います。厳密には検針日の違いによる使用日数が若干違いますけれども、アレ、案外変わってないんじゃないか?と思われましたでしょうか。

歩兵も確かにビックリするほど省エネ!とは思っていませんでしたが、夏場なんかむしろ電気の使用量が増えていますので、皆さんが期待したような結果ではないかもしれません。しかし冬場については明確に電気・ガスの使用量が減っていることが見てとれると思います。

ここで歩兵は申し上げておきたいのですが、電気・ガスの使用量はあまり変わっていなくても、家の快適性は圧倒的に改善しています。圧倒的とかいうレベルじゃないくらい違います。夏場は家中どこに行っても涼しい。猛暑の日でも家に帰ってくればひんやり!です。冬場は家中どこに行っても暖かい。もうお風呂で凍えることなどありません。いつでも裸足で過ごせるのでスリッパいらずです。以前の家では、夏場はうだるような暑さでエアコンは焼け石に水。冬場は寒くて凍えて毎日のお風呂がつらくて仕方ない。ということですので、トータルコストは変わらず、快適性が爆上がりし、ストレスがなくなったというのが非常に大きいわけです。

さらに乾太くんの存在は欠かせません。ほぼ毎日乾太くんは稼働しており、1日数回運転することすらあります。乾太くんを入れてもガス代が大幅に上がるということもないようで、ガスファンヒーターやガスキッチンが不要になった分むしろガス使用量は減っています。

電気の使用量があまり減らないのはIHの影響もありますが、食洗器が結構電気を使うのではないかと思っています。

トータルで、生活の質は大変上がっており、光熱費のコストは変わらないか使用量が減っているということで、歩兵としては満足しています。

高性能住宅特化型の工務店では藤島建設さんよりかなり高性能の住宅(たとえばC値0.1とか、UA値0.3とか)を作るところもあるかと思うのですが、当然そのぶん高コストです。歩兵もいろいろ比較しましたが、どこまでコストをかけて性能を追求するかは難しい問題です。ただ、上記の検証から推測するに、めちゃくちゃコストをかけて性能を追求しても光熱費がそこまで下がるとも思われず、また歩兵邸のスペック(UA=0.45、C=0.45)でも十分快適であって、総合的にみればコスパのよい選択であったと思っています。

続きはまた。あんにょん。

【9/4追記】電気代のことですが新居は24H第一種熱交換換気×2台が稼働していることもあるかもしれません。また、新居は南北に長い建物で、南側に隣家があるため冬季の日射熱取得がほぼありません。おそらくですけど、パッシブ設計を意識して、日当たりのよい土地で少し東西に長い建物にして、南側に大きな窓を作る(軒を伸ばして夏場は日射遮蔽を行う)と冬季の暖房費も大幅に削減できるのではないかという気もします。なにぶんさいたま市は土地が安くなく、歩兵も金額的に出せる範囲で最良の土地を買ったと思まいますが、日当たりや土地の形状等については妥協を強いられる部分はありました。お金がある方は、ぜひよい土地をお求めになり、パッシブ設計なおうちを作ってください。

第131回 我が家の後悔ポイント②

歩兵です。

怒涛のような忙しさです。さて後悔ポイント②の「リビング入り口の照明スイッチ」について。端的に書きますと、一括オフスイッチをつければよかったのではないかということです。

歩兵宅は廊下のない間取りで、玄関入るとダイレクトに1階LDKへとつながっています。そこからリビング階段で2階に上がれます。

就寝時に2階に上がる際などはリビングの照明を消していくのですが、そのときにスイッチ類を全部押すのは若干面倒です。それで階段のところに一括オフスイッチをつけて、LDKの照明を全部まとめて消せるようにしました。これはよかったのですが、同様に玄関にもLDKの照明を全部消せるスイッチをつければもっと便利でした。今では結局階段のところの一括オフスイッチを使い、玄関を出ています…。

たぶんですがアレクサとかを入れて「リビングの電気消して~」と音声でやるのが一番良い方法だと思います。今後時間があるときに考えていくつもりです。

ブログ開設して2年が経ったと通知がきました。読者の皆様ありがとうございます。新築1年を過ぎた歩兵邸も快適ですが、玄関ポーチや駐車場のコンクリートなどの汚れも目立ってきてケルヒャーで少し清掃をしました。外壁はまだまだきれいですが、何年後かには手入れが必要になってくるでしょう。

続きはまた。あんにょん。

第130回 「我が家の後悔ポイント①」

歩兵です。

2カ月以上空いてしまってログインIDやパスワードを忘れそうです。更新がなくてもアクセスして下さる皆様ありがとうございます。

仕事が忙しく(いま出張の合間の待ち時間にこれを書いてますが…)何書こうか考える暇もあまりないので、もし記事のお題のリクエストがあったらコメントやメッセージでお知らせ下さい。

メッセージは以下のフォームからも送れます。

https://forms.gle/5oeHUTpp8NrFhiHC8

さて今日は「我が家の後悔ポイント」を書こうと思います。実際のところほとんど後悔している点はなく、今後いくつまであるか不明ですがとりあえず①としておきます。

それは、1階洗面所とトイレの照明をセンサー式(人感式)にしなかったことです!玄関、パントリー、リビング収納エリアはセンサー式にしたのですが、つけたり消したりの手間がないのは非常に楽でいいですね。1階洗面所とトイレは稼働率が高いので、ここも人感式にすればよかったです。配偶者は人感式にすべきだとおっしゃっておられたのですが、差額を考えてケチってしまいました。ただケチるところではなかったな、と思います。大変申し訳ありませんでした。

書きながら他にも後悔ポイント思いだしたので次回予告を兼ねてメモしておきます。

②リビング入口の照明スイッチ

③防犯カメラ

④電源ボックスの位置

続きはまた。あんにょん。

第129回 1年点検

歩兵です。

乾太くんについての質問等をいただくことがあります。当ブログに来て下さる皆さんは、おそらく高気密高断熱住宅に関心がある方が多く、それ専門の工務店さんとの契約を検討されているか、すでに契約をしていることでしょう。

そこで複数の方のコメントやメッセージを読んでいて思ったのですが、スーパー工務店といえどガス機器のプロではないので、乾太くんをどう設置するかについて詳しくない場合が少なくないのではないか、ということです。

ガス機器にはFF式(屋外から給気して屋外に排気する、換気のいらないもの)や開放式(室内から給気して室内に排気する、換気がいるもの)がありますが、乾太くんはFE(半密閉)式で、屋内設置の場合、室内から給気して屋外に排気する構造になっています。ですので燃焼に必要な新鮮空気を十分に給気するためには換気口が必要になります。低気密住宅であれば隙間からいくらでも給気できるでしょうし、三種換気の場合も自然給気口がありますからさほど問題ないようにも思われますが、高気密住宅で一種換気という(ある種特殊な)条件下では、給気が足りなくなる可能性があるわけです。

工務店さんも乾太くんについて詳しければそのことを考えるはずですが、乾太くんを設置するのはガス屋さんであって、ガス屋さんは高気密住宅についての知識があるとは限りませんし、工務店さんは「ガス機器はガス屋さんに任せておけばいい」と考え、乾太くんの仕組みについて深く考えていないこともある気がします。

監督さんや設計さんの経験によるかもしれません。歩兵としては、工務店に任せっぱなしにせず、しっかり相談・確認しながら進めていくことをお勧めする次第です。

さて、タイトルにも書きましたが引き渡しから丸一年がたち、藤島建設さんによる1年点検が行われました。当初の不具合等は基本的に修繕していただいたので、特に困ることもなく、建具の動きや外回りの確認くらいで終わりました。

歩兵としても、埼玉の猛暑の夏、寒波の冬を過ごしてみて、改めて高気密高断熱住宅の快適さをかみしめ、家を建ててよかったと思います。

続きはまた。あんにょん。

第128回 高気密住宅で換気をせず乾太くんをまわすとどうなるか

歩兵です。

忙しいです。一年中忙しいと言っている気がしますね…。フルタイム共働き&育児ですと無限に時間がありません。暮らしやすい家を作って本当によかったと改めて実感します。

さて乾太くんの話です。乾太にはいろいろとデメリットもありますが、歩兵は乾太を毎日使っており、乾太のいない世界には戻れないというくらい重宝しています。洗濯機から洗った洗濯物をそのままポイっと投げ入れて、スイッチオンで50分後にはフカフカになるわけですから、洗濯に関するストレスが大幅に軽減されたことは間違いありません。以前の家ではドラム式の洗濯乾燥機(ヒートポンプ式)を使っていましたが、時間がかかる割にいまいち乾燥能力が弱く、積極的には使えませんでした。ガス乾燥機の威力は絶大です。乾太に勝るものはありません。歩兵は新築時に脱衣所・洗面所・ファミリークロゼットと接続したランドリールームを作り、室内干しも簡単にできるよう計画したわけですが、乾太が便利すぎてその室内干しすら面倒に感じてしまうほどです。忙しく、大量の洗濯物と格闘する共働き・育児家庭の皆さんには乾太は本当におすすめ家電の一つです。

本題です。高気密住宅に乾太を設置する場合、換気について考える必要があるというのはこれまでに書いてきた通りです。歩兵は乾太の給気口近くに自動開閉式の給気扇を設置し、タイマースイッチを接続して通電すると給気するようにしました。乾太を動かすとき、運転時間にあわせてタイマースイッチをオンにすると換気扇に通電し、タイマーの時間が経つと電源が切れて自動的に給気が止まる仕組みです。

ただ、これで給気と排気のバランスが本当にうまくいっているのか確かめたいと思ったので実験をしてみることにしました。具体的には、給気扇をつけずに乾太を運転するとどうなるのか?ということです。

結論から書きますと、給気も排気も不十分になり、燃焼がうまくできないのか運転時間が伸びました。

今回、給気扇も24時間換気(1種換気)もオフにした状態で、乾太を動かしてみました。乾太には排気のためのファンがあるので、きちんと排気されれば室内が負圧になるはずです。そこでipadの気圧計を使い、乾太運転時の気圧の変化を測定してみました。すると!全然変化しません…。C値=0.45の歩兵邸ですが、そこそこ広さもあるため隙間もその分あるはずです。それで、家じゅうの隙間からの給気がなされているのかというと、そうでもないようです。というのは、IHの同時給排を動かすと室内がものすごく負圧になるからです。もし隙間から十分給気されるなら、そのようなことはないはずです。

ということで、歩兵の推測はこうです。外からの給気がない状態で乾太くんを動かすと、乾太内部のファンの力が弱いために十分(室内が負圧になるほど)排気することができず、そのために(排気・給気不足で)不完全燃焼となる。結果、運転時間が伸びる。

給気扇を動かしてみると室内の気圧が上がったため、給気扇はきちんと機能しているようです。

ということで、高気密住宅で乾太くんを使うには、やはり専用の給気が必要だということを確認した次第です。三種換気で給気口がある住宅であればよいのかもしれませんが、意外と空気は動かないもので、給気口なり給気扇は乾太くんの給気口にできるだけ近づけてショートサーキットを作るというのがよいと思われます。歩兵は藤島建設さんのアドバイスに従ってそのようにしたわけですが、まさにその見解は正しかったといえると思っています。

続きはまた。あんにょん。

第127回 高気密住宅に乾太くんを設置したい方へ

歩兵です。

当ブログのアクセス数を見てみると、乾太くんについての記事が多いようです。C値=0.5以下のような超高気密住宅では換気計画が重要になりますが、乾太くんはかなり多くの換気量を必要とするため、使用時にどうやって換気を行うか?ということが問題になるからです。詳細は以下過去記事の関連部分をご覧ください。

 第31回 乾太くんは高気密住宅で使えるのか

 第32回 乾太くんと換気問題

 第34回 リンナイからの回答(新事実の発覚)

 第35回 乾太くんの必要給気量

 第36回 高気密住宅をつくるには

 第88回 高気密住宅と乾太くんの相性が悪い件

要約すると、乾太くんを使うには大量の給気を必要とするが、高気密住宅で第一種換気を使うと給気が不足してしまう、窓を開けて使うのは不便だしせっかくの高気密高断熱が台無しである、どうすれば?という話です。歩兵はタイマー式シャッター付き給気扇を設置し、乾太作動時にスイッチを押す、という運用にしています。結論から言いますとこれは正解でした。11か月ほぼ毎日使い続けてますが何の問題もストレスもありません。(リンナイがFF式乾太を発売してくれたら済む話ではありますが…)。

タイマーはダイヤル式で、10分単位で設定できるものです。だいたいの運転時間にあわせ50分に設定していますが、ダイヤルを回して変更することが可能です。スイッチオンで自動的に給気口が開き、ファンが回って給気を始めます。タイマーで設定された時間になると自動的に給気口が閉じ、給気をやめます。

乾太くんはデラックスタイプと標準タイプで給気口の場所が違うのですが、歩兵宅はデラックスタイプを採用したので本体の側面に給気口があります。本体の給気口とできるだけ近づけて給気扇を設置し、運用中はショートサーキットが起きるように考えました。

実際の使い勝手ですが、まあ換気扇のスイッチ一つ押すだけですので特に手間はありません。冬場は外の冷気も入ってくるのですが、多少は仕方ありません。窓を開けて使うと必要以上に寒さを入れてしまったり、そもそも時間に合わせて窓を閉めに行くという手間が鬱陶しいかと思いますので、それと比べれば大分マシだと思います。

貫通部にもなりますし設置した分が断熱欠損になるので断熱性・気密性が若干犠牲にはなりますが、乾太を使う以上トレードオフの関係になりやむを得ません。給気扇も一応「高気密タイプ」という商品を使っていますので、そこまで気にはならないかと思います。歩兵の体感的にもあまり影響は感じません。

毎日の洗濯物を干す手間もなく、ポイっと放り込んで1時間足らずでふかふかになっている、というのは本当にありがたいことで、共働き育児世代にとって乾太は欠かせない家電だと思います。シーツを毎週洗うのも負担に感じません(乾太デラックスタイプはシーツ・毛布コースが搭載されており、フィルターのお手入れもラクラクなのでお勧めです)。

皆様の家づくりにもぜひ検討してみて下さい。

続きはまた、あんにょん。